賃貸マンションの退去費用はざっくりいくら?敷金は返してもらえる?原状回復義務について解説

新生活や転勤等で数年間住んでいる賃貸マンションを退去するとき、不動産管理会社から請求される退去費用がいくらになるのか、気になる方は多いのではないでしょうか。退去費用は、借主(入居者)が退去するにあたり「貸室の原状回復をどこまでやるのか」によって請求額が異なるため、この「原状回復」というのが大きく関係してきます。

ところが、賃貸物件の退去にともなう原状回復については不動産の知識がない一般の借主にとってはわかりにくく、借主と貸主の間でトラブルになっているケースも多いのが現状です。

今回は、賃貸マンションを退去するときにかかる費用の相場や原状回復、敷金についてわかりやすく解説していきます。

 

賃貸マンションの退去費用相場

賃貸マンションの退去費用として請求される代表的なものとしては、ハウスクリーニング代があります。大家さんや管理会社が依頼する業者によって費用はやや異なりますが、一般的には以下のような相場になっています。

 

  • 間取り別ハウスクリーニング費用相場
間取り ハウスクリーニング費用相場
ワンルーム・1K 15,000~30,000円
1DK・1LDK 20,000~50,000円
2DK・2LDK 30,000~60,000円
3DK・3LDK 50,000~100,000円
4DK・4LDK 70,000円~

 

  • ハウスクリーニングの主な内容
フローリングのワックスはがしまたはワックスがけ
換気扇・レンジフードの掃除
クロス(壁紙)の部分的または全体的な掃除
浴室、トイレの掃除
エアコンの室内機及び室外機の掃除

 

ハウスクリーニングは、住宅の掃除専門業者が家まで来て清掃してくれるサービスです。貸室の広さや汚れの状態によって金額は異なりますが、素人では掃除しにくいところ、例えば浴室の黒カビやキッチンのレンジフードの油汚れ、エアコンのフィルター、床材の汚れ等を綺麗に清掃してくれます。ハウスクリーニングは、家の中が空の状態(空室清掃)のほうが清掃料金は若干安くなるため、賃貸物件の場合は入居者が退去したあとに行われるのが一般的です。

 

 

退去費用として高額請求されたときの原状回復義務

賃貸マンションの退去にともない、大家さんや管理会社から退去費用として高額請求されるケースがあります。これは、ハウスクリーニングに加えて、クロスの張り替えや畳の表替え等が退去費用の中に含まれているため、結果として高額になっている場合があるのです。

賃貸マンション退去時は、原則として借主に部屋の原状回復義務がありますが、一般的な生活によって損耗した部分(通常損耗)については貸主が負担することになっています。例えば、日常生活でついた床の汚れや畳の日焼け等は通常損耗に当たるため、その分の交換費用まで借主に負担させることはできません(改正民法第621条)。

 

これまで原状回復といえば、借主が部屋を退去するときに「元の状態に戻す」というイメージが強かったため、借主の責任と負担においてハウスクリーニングを行いクロスや畳を張り替えてから貸主に明け渡す、といった不動産実務が行われていました。しかし、これではあまりにも借主の負担が大きく、大家さん(貸主)の利益ばかりが優先されすぎています。こうした実態によって賃貸マンションの退去にまつわる借主と貸主のトラブルが多発していたことから、国土交通省が「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(以下「原状回復ガイドライン」という。)」を発表しました。

また、令和2年4月1日に施行された改正民法では、「賃借人(借主)は、通常損耗については原状回復義務を負わない」という旨の文言が追加されています(改正民法第621条)。

(参考:国土交通省 賃貸住宅の入居・退去に係る留意点

(参考:国土交通省 原状回復をめぐるトラブルとガイドライン

 

借主の故意または過失によってクロスや床が損傷した場合は例外ですが、日常生活での経年劣化による通常損耗の損失分については賃料によって回収されているため、大家さんが負担するべきと考えられています。

 

もし賃貸マンションの退去時に、大家さんや管理会社から原状回復費用として数十万円などを高額請求された場合は、国土交通省の原状回復ガイドラインを相手方に見せながら費用の詳細を一つ一つ確認していくとよいです。

 

敷金は帰ってくる?

敷金は、賃貸マンションを借りるときに借主が大家さんに預けるお金で、「家賃の担保」としての意味合いがあります。例えば、借主が家賃の支払いを滞納している場合に、大家さんが敷金から滞納家賃分を差し引いて回収することができます。

基本的に敷金は預り金なので、借主が賃貸マンションを退去する際は、大家さんは敷金を借主に対して返還しなければなりません。ところが、これまでの慣習では先述したように借主の原状回復義務が明確ではなかったので、多額の原状回復費用を敷金から差し引かれるケースが多かったのです。そのため、借主の手元に戻ってくる敷金はごくわずか、ということもありました。

 

今後は、先述した原状回復ガイドラインや民法改正によって通常損耗の個所が明文化されたことで、借主の原状回復費用の負担は軽減されているケースが多いです。もし、賃貸マンションを退去するときに高額な退去費用を請求された場合は、その退去費用の金額が原状回復のガイドラインに沿ったものなのか確認してみることをおすすめします。そうしたうえで、退去費用の内容について管理会社や大家さんに相談してみましょう。

 

まとめ

賃貸マンションを退去するときは、大家さんや管理会社から退去費用を請求され、そのほとんどは敷金から差し引かれるケースが一般的です。退去費用の内容としては、先述したハウスクリーニング代であることが多く、貸室の広さや状況によって金額は異なります。もし、請求された退去費用があまりにも高額だった場合は、本来貸主が負担するべき部分まで請求されている可能性があります。退去費用について疑問があるときは、原状回復ガイドラインを確認しながら管理会社に聞いてみるとよいです。

 

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