社会で暮らしている限り、環境からもたらされる様々な騒音から完全に逃れて生きるということは難しいですね。
「上の階でいつでも子供が走り回っていて気になる」
「隣の空き地で建設工事が始まってうるさい」
「隣人が大音響で音楽を鳴らしていて困る」
誰しも、こういった騒音に関するトラブルに悩まされた経験があると思います。
しかし、ご存知でしたか?
騒音は単に「うるさい」だけでなく、健康に悪影響を与える可能性があるのです。
この記事では、騒音と健康被害の関係や騒音によってどんな悪影響が生じるのかについて解説してきます。
騒音がもたらす身体的・精神的健康被害
騒音により高血圧や心臓病のリスクが高まる
最近の研究によれば、さまざまな騒音、特に夜間の騒音によって高血圧などのリスクが高くなる恐れがあるということがわかりました。
騒音は、寝ている時であっても体内の神経やホルモンに大きな影響を与えます。
騒音を感じることによって、血中アドレナリン濃度が上昇します。
そもそもアドレナリンとは、動物が敵に襲われて身を守らなくてはならない時、あるいは獲物を捕食する必要に迫られた時に分泌され、状況に対応するのを助ける物質です。
アドレナリンが分泌されると、心拍数が増加したり、血糖値が上昇したり、気管支が拡張するといった作用がもたらされます。
しかし、身体が休んでいるはずの夜間にこのような活動は必要のないものです。
結果としてすでに述べたように、騒音にさらされている人の血圧が上昇する・・・ということが起こります。
一例を挙げましょう。
ロンドンのヒースロー空港の近隣は航空機の騒音にさらされています。この地域の住民を調査したところ、心臓病や循環器疾患による死亡者が他の地域と比較して多い、という研究結果が出ました。
騒音によって難聴になる
強烈な騒音にさらされることで、内耳が傷つき、聴覚が低下したり、特定の音が聞こえなくなることがあります。
騒音は「ソノメーター」という測定器を使って計測されます。
その単位は「デシベル」です。
一般に85デシベル(dB)以上の音を長時間、長期間に渡って聴き続けることにより、難聴になるリスクが生じます。
では、「85デシベル」はどの程度の大きさの騒音なのでしょうか?
静かな図書館の音圧は40デシベルと言われています。
通常の会話は60デシベル。
そして掃除機が75デシベル、目覚まし時計が80デシベル、芝刈り機の騒音は90デシベル程度です。
騒音で睡眠が妨げられる
言うまでもありませんが、寝ようとしている時に騒音が耳に入ると眠れなくなってしまうことがあります。
この場合の騒音は、航空機が頭上を通過するような爆音である必要はありません。
隣室から聞こえてくる何かを引きずるような音、ドアの開け閉め、音楽…といったちょっとした騒音が気になって眠れなくなることもあるでしょう。
寝ようとするときに騒音でなかなか寝付けない、ということが繰り返し起こると、何も音がしなくても「また騒音が聞こえて、眠れなくなるかも?」と構えてしまい、不眠の習慣がついてしまう可能性もあります。
ノイローゼ、鬱になる
不眠症以外にも、騒音によって読書や作業に集中できないことが繰り返し起こった結果、精神的なトラブルを抱えるケースもあります。
また、こういったストレスによってまた別の身体的な疾患を発症してしまうこともあり得ます。
子どもに対する悪影響~認知障害
意外に知られていないことですが、子どもは大人よりも騒音による悪影響を受けやすいということがわかっています。
幼児が日常的に会話を妨げるレベルの騒音にさらされた場合、聴覚処理機能が損なわれることがあります。そして、その結果として、会話や読解といった言語の発達が遅れてしまう可能性があります。
まとめ
20世紀初頭にノーベル賞を受賞した微生物学者ロバートコッホは、 1905年にこのように述べました。
「コレラやペストと同じくらい容赦なく騒音(ノイズ)と戦わなければならない日が来るだろう」と。
その言葉通りに、現在私たちは騒音に囲まれた生活を送っていると言っても過言ではないでしょう。
環境にあふれている騒音は単にうるさいだけのものではなく、時には深刻な健康被害をもたらすものであるということを理解し、適切に対処する必要がありそうです。
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