☆家は買うべきなのか?持ち家と賃貸住宅の違いを分かりやすく解説

家を買って住む場合と賃貸住宅に住み続けるときの主な違いをご存知ですか? 持ち家と賃貸住宅のどちらに住むかを検討するためには、まず判断材料としてそれぞれどんな違いがあるのかを知っておく必要があります。

ここでは、持ち家と賃貸住宅それぞれが持つ違いやメリット・デメリットなどについて解説していきます。

⦁ 住宅購入と賃貸の違い

日本国内では、賃貸住宅に住む世帯よりも持ち家世帯のほうが割合は多く、全体的に持ち家の意識がやや高くなっています。

下の図をご覧ください。総務省から公表された、持ち家住宅率の推移です。

⦁ 持ち家住宅率の推移(平成30年住宅・土地統計調査より)


(出典:https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/index.html平成30年住宅・土地統計調査 土地集計結果/総務省)

持ち家数・借家数ともに増加傾向にあり、持ち家住宅率は2018年の時点で61.2%。賃貸住宅に住む人よりも、持ち家世帯のほうが多いことが分かります。また持ち家住宅率は毎年60%前後となっており、家を買いたい世帯が常に一定数以上いることを表しています。

とはいえ、持ち家と賃貸住宅とでは、「どんな違いがあるのかよく分からない」という方も多いのではないでしょうか。住宅購入と賃貸住宅の違いを知らなければ、そもそも比較をすることができません。そこで以下に、主な違いの例を挙げてみました。

⦁ 初期費用が違う

まず初期費用が違います。家は大きな買い物なので、「初期費用が多くかかる」というイメージが強いのではないでしょうか。もし家を買う場合、購入価格によって必要な初期費用の金額は違いますが、賃貸住宅へ入居するよりも多くの自己資金を用意しておかなければなりません。一般的に、家を買うときは購入価格の1~2割程度の頭金(自己資金)が必要とされているからです。例えば3,000万円の中古戸建を買うときは、最低でも300万円の頭金が必要になるケースが多いです。

(頭金については「家を買うときに頭金はいくら必要?全国平均や最低必要な頭金について解説」の記事で解説していますので、ぜひご覧になってみてください)

ところが賃貸住宅に住むときは、敷金や引っ越し費用などを用意しておくだけで入居できる場合がほとんど。一般的に敷金は家賃の1~3カ月分程度が相場となっており、例えば家賃7万円の賃貸マンションに住むのであれば敷金は7~21万円程度となります。
このように、住宅購入と賃貸住宅では初めに必要な自己資金が大きく違ってくるのです。

⦁ 居住性が違う

持ち家と賃貸住宅では、居住性の違いも挙げられます。
特に顕著なのは「分譲マンション」「賃貸マンション」の違い。分譲マンションはSRC(鉄骨鉄筋コンクリート)造のしっかりした建物が多く、耐震性や防音性に優れています。またペアガラス(複層ガラス)や床暖房といった設備を完備していたり、管理人が常駐している物件もあることから、一般的な賃貸マンションと比べると居住性や防犯性などの部分が大きく違ってくるのです。

ちなみにペアガラスとは2重構造の窓ガラスのこと。2枚の板ガラスの間には乾燥した空気が注入されており高い断熱効果があります。ペアガラスの断熱効果は、一般の窓ガラスの2倍といわれています。戸建の場合も同じことがいえます。

例えば戸建を新築するときは自分が住みやすい間取りにしたり、太陽光発電システムや床暖房といった設備を最初から付けておくことができます。
しかし賃貸住宅の場合は他人の所有物なので、勝手に建物をいじることができません。

例えば入居時に古いエアコンが付いている物件の場合、もしエアコンの調子が悪かったり壊れてしまったときは所有者である大家さんに修理してもらうことができますが、大家さんや管理会社によってはすぐに対応してくれないケースもあります。

こうした「入居後」の居住性や利便性の面でも持ち家と賃貸住宅の違いを理解しておくことが大切です。

⦁ 資産性が違う

家の購入は「資産」になりますが、賃貸住宅はあくまでも他人の所有物を借りているだけなので、結果として他人の資産にお金を払い続けるという形になります。例えば毎月7万円を居住費として支払う場合、自分の資産に払うのか、他人の資産に払うのか、といった違いがあります。

もし毎月7万円を払い続けた場合、1年間で84万円、10年間で840万円、30年間で2,520万円になるため、同じ金額を払い続けるのであれば「資産価値のある自分の家に払ったほうがよい」といえるのではないでしょうか。

ただし持ち家は修繕費や固定資産税といった支出があることを忘れてはなりません。賃貸住宅は大家さんが修繕費や固定資産税を払ってくれますが、持ち家はすべて自分で管理する必要があります。

⦁ 税金が違う

前述したとうに、持ち家は毎年、固定資産税がかかります。また家を買ったときは不動産取得税がかかる場合もあり、賃貸住宅と比べると税金の負担は大きいです。賃貸住宅は自分の所有物ではないので、不動産に関する税金はかかりません。

固定資産税は、毎年1月1日時点で土地・建物を所有している人に対して課税されます。納税額は固定資産税評価額に基づいて計算され、不動産を所有している限りずっと課税される仕組みです。また固定資産税と同じように都市計画税も毎年かかります。都市計画税は、都市計画区域内にある土地・建物を所有している人に対して課税され、徴収された税金は公共施設や道路などの整備費用に使われることになります。

不動産取得税は、購入した家の条件によっては税金負担が軽減される特例措置があります。固定資産税や不動産取得税などの税金については、☆「知らなきゃ損する!?家を買うときにかかる税金と節税」の記事でも解説していますので、ぜひご覧ください。

⦁ 団体信用生命保険の有無

家を買うときに住宅ローンを利用する場合は、団体信用生命保険(以下、団信という)が付くことになります。団信は、住宅ローン返済中に万が一、病気や事故で名義人が死亡または高度障害状態になってしまったときでも、保険金でローンの残りが弁済できるというものです。

団信が付いていれば、もし夫が病気で死亡してしまっても住宅ローンの残債は保険金で賄えるので、遺族が家の借金で路頭に迷うことはありません。逆に、賃貸住宅に住む場合は団信を利用することができませんが、一般の生命保険に入るなどして対応することができます。ただし、団信に比べて一般生命保険のほうが月々の支払い額はやや高くなることが多いです。

⦁ 持ち家と賃貸住宅のメリット・デメリット

ここからは、家を買う場合と賃貸住宅に住み続ける場合とのメリット・デメリットを紹介します。まずは持ち家のメリットとデメリットです。

 持ち家のメリット

⦁ 将来の資産になる
⦁ 賃貸住宅よりも広く建物や設備のグレードが高い
⦁ 物件によっては月々の支払いが賃貸とほぼ同じにできる
⦁ 団信があるので夫に万が一のことがあっても安心
リフォームやリノベーションが自由にできる
⦁ 住宅ローン控除が使える
⦁ 住宅ローンを完済すれば後は楽

持ち家の大きなメリットとしては、「買った家が将来の資産になる」ということです。例えば戸建の場合、建物は経年劣化により資産価値が低下していきますが、土地の価値が大きく下がることはほとんどありません。日本の国土は狭く、土地には限りがあるからです。
分譲マンションの場合、土地の所有持分は専有面積によって異なりますがSRC造といった頑丈な建物は耐用年数が長く、長期的に使用することができるといった特徴があります。

持ち家のデメリット

⦁ 最低でも購入価格の1割程度は自己資金が必要
気軽に引っ越しできない
⦁ 敷地内や建物を自分で管理し修繕する必要がある
⦁ 住宅ローンの借金としての心理的負担がある

デメリットとしては、やはり自己資金として準備するための金額が高いことや簡単に引っ越すことができない、といった内容が挙げられます。メリットと比較しながら、自分のライフスタイルに合わせて検討する必要があります。

賃貸住宅のメリット

次に賃貸住宅のメリットとデメリットです。
⦁ 初期費用が低い
⦁ 不便を感じたらすぐに引っ越せる
⦁ 常に新築や築浅の物件を選べばずっと最新の設備環境で住める
固定資産税の負担がない
⦁ 建物や敷地内の管理・修繕は他人任せにできる

賃貸住宅のメリットとしては、「初期費用が安くすむ」「飽きたらすぐに引っ越せる」といった点が大きいです。また、家賃や共益費以外の支出が少なく、物件の管理は他人任せにできるのも特徴です。

賃貸住宅のデメリット

⦁ ファミリー向けのマンションやアパートがやや少ない
⦁ 気軽にリフォームできない
⦁ 住んでいる限り家賃を払い続けなければならない
⦁ 部屋を借りるときに連帯保証人が必要な場合が多い
⦁ 家賃を払い続けても将来の資産にならない

賃貸住宅は持ち家よりも居住性がやや劣ることが多く、勝手なリフォームもできず、家賃を大家さんに払い続けなければなりません。また何十年と家賃を払い続けても自分の所有物にはならないため、資産として残すことができないのもデメリットです。

まとめ

住宅・土地統計調査を見ると、日本では賃貸住宅に住む人よりも持ち家に住む人のほうが割合としては多いです。今回は持ち家と賃貸住宅の主な違いを挙げましたが、住宅に毎月支払う費用は将来の資産形成にも大きく影響するため、ランニングコストやキャッシュフローなどもきちんと試算しておきたいところです。
持ち家と賃貸住宅ではそれぞれメリット・デメリットがあるので、自分の生活スタイルや今後の人生設計をふまえたうえで比較検討をしていきたいですね。

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