内容証明というと、何か法律的な郵便物というイメージしかない方が多いと思います。
隣人とのトラブルで電話やメールでやり取りをしてもなかなか解決しない場合、内容証明をどのように使えばよいのでしょうか。
この記事では内容証明のメリットやデメリット、具体的な作成上のルールなどをご紹介していきます。
内容証明とは?どんな効果があるの?
内容証明というと、何か法律的な郵便物というイメージしかない方が多いと思います。
例えば、隣人との騒音トラブルがあったとしましょう。
10時以降に隣の住人がカラオケを大音響で流して眠れないので、直接会いに行って夜間の騒音を控えるように求めます。
住人は夜9時以降はカラオケを使わないと口頭で約束します。
しかし、数日後、またも隣家から夜の11時にカラオケが流れてきました・・・
あなたは即座に隣家に怒鳴り込んで、何度同じことを言わせるんだ!と訴えますが、相手は「何のこと?」「聞いていない」としらばっくれます。
このように口頭でのやり取りは証拠が残らず、あとになって「言った」「言わない」の水掛け論になることがあります。
そうした時に使えるのが「内容証明」です。
内容証明であれば、郵便局があなたが差し出した郵便物が相手側に届けられたという事実とその郵便物の内容を証明してくれるのです。
もし前述の状況で、隣人があなたの内容証明郵便を受け取っていたら、あとから「これまで苦情を受け取ったことはない」としらばっくれることはできなくなります。
内容証明のメリットとデメリット
内容証明を隣人トラブルに使うことで以下のようなメリットが考えられます。
隣人に通知を行ったという証拠ができる
前述のカラオケ騒音の例にあるように、内容証明を送ることで問題の隣人に対してクレームを通知したという証拠になります。
相手の隣人は、「そんなクレーム知らないよ」とししらを切ることができなくなるのです。
また、この問題が解決せず、民事裁判のような法的なステップを踏むことになった際にもメールや普通郵便などと違って確実な証拠として法廷で用いることが出来ます。
隣人に対して心理的なプレッシャーを与える
内容証明は普通郵便とは明らかに違い、形式的に書かれた文書ですので、「これは簡単に無視することができない」という強い印象を相手に与えます。
内容証明には、これが改善されない場合訴訟も辞さないといった内容も盛り込めます。
そして、これを受け取るだけで、相手が態度を変え、トラブルを改める可能性もあります。
とはいえ、内容証明には次のようなデメリットもあります。
法的な強制力はない
内容証明はあくまでも、通知を証明するものであり、書かれている内容には法的な強制力はありません。
つまり、「騒音がうるさくて眠れない。10時以降はカラオケ機を使わないでほしい」という趣旨の内容証明を送ったとしても、隣人はあなたの主張に従う義務はありません。
その後隣人がカラオケ機を10時以降に使い続けたとしても、彼が法的な罰を受けることはないのです。
その状況を完全に解決するためには、実際に民事訴訟を起こさなくてはならないこともあるでしょう。
内容によっては自分が罪に問われることもある
内容証明の書き方を誤ってしまうと、自分の方が罪に問われる可能性もあります。
例えば、カラオケ騒音がこれ以上続く場合は暴力に訴えることも辞さない・・・などと書くことは一種の脅迫となりますし、相手に対する誹謗中傷なども控えるべきでしょう
内容証明郵便を出すのに必要なもの
では内容証明を送るために具体的に必要なものをご説明します。
以下の4つを準備します。
- 内容証明として送る文書
- 文書の謄本(写し)2通、コピーでも可
- 差出人及び受取人の住所氏名を記載した封筒
- 内容証明を送る料金
内容証明の文章の作成
内容証明の文章に関してはある程度ルールがあるので注意が必要です。
①用紙
用紙のサイズや紙の種類に関しては特に規定はありません。
手書きで作成する場合は、内容証明郵便用の用紙が文房具店や通販サイトで販売されているので、必須ではありませんが、それを利用すると書きやすいかもしれませんね。
文書はパソコンで作成することもできます。
その際は、経年変化する感熱紙でなければ、パソコン用のA4サイズの紙を用いるので構いません。
②文字数・行数
内容証明の文書は1ページの文字数や行数に制限があります。
縦書きの場合:
1行に20字以内、1枚に26行以内
横書きの場合:
1行に20字以内、1枚に26行以内
1行に13字以内、1枚に40行以内
1行に26字以内、1枚に20行以内
③ページ数
ページ数は複数枚になっても構いませんが閉じ方に注意が必要です。
複数枚をホッチキスで閉じ、ページとページの繋ぎ目にまたがって押印(契印)をしてください。
この契印はすべてのページに押さなければいけません。
④使用できる文字種
内容証明に使用できる文字種には制限があります。
使えるのは、基本的にひらがな、カタカナ、漢字、数字(漢数字・算数字)のみ。
英字は固有名詞(人名・地名・会社名・商品名)場合か、一般に使う記号の場合のみです。
例:48%、教えて!goo
⑤字数計算の注意点
「」、『』、()などの括弧マークは、一組で1文字として数えます。
一方で、「①」などの〇で囲った記号や「㎡」などの記号は2文字として数えます。
また、「№」は3文字として数えます。
文字数が数えにくくなるため、これらの記号はなるべく使わないほうが良いでしょう。
2通の謄本(写し)
文書を作成したら、その写しが2通必要となります。
相手に送るものに加えて、郵便局で保管するものと、差出人であるあなたが保管するものがそれぞれ1通ずつ必要となるからです。
手書きの場合は、文書をコピーするか、カーボン紙を挟んで同時に3通作成する方法どちらでも構いません。
パソコンの場合は、作成した文書をコピーするか、印刷時に3部作成するのでよいでしょう。
差出人及び受取人の住所氏名を記載した封筒
封筒のサイズや縦書きか横書きかなどについての規定はありません。
ただ、封筒に書く差出人と受取人の住所・氏名は、文書中に書かれている差出人・受取人と同じである必要があります。
内容証明の封筒に、文書以外のものを同封することはできませんので注意してください。
内容証明を送る料金
内容証明の料金は、2019年2月の時点で430円です。
しかし、実際に郵送する場合は、それに加えて郵便料82円と書留料430円が掛かります。
(内容証明は書留として送られます。)
内容証明の出し方
内容証明を作成して、送る準備が整ったら、文書とその謄本2通、封筒、料金と共に、内容証明を扱っている郵便局に持参します。
すべての郵便局が内容証明を扱っているわけではないので、事前に郵便局に問い合わせてください。
⇒ 郵便局を探す
局員が内容証明が形式通りに書かれているか確認した後、1通を郵便局で保管、1通を相手側に郵送、1通を差出人(本人)に返却します。
内容証明の作成を代行してもらう
ここまで読まれて、「内容証明の作成も結構大変だな」と思われてかもしれませんね。
実際に、内容証明に必要なものが欠けていたり、また文書内容自体が不適切なものだった場合、時間をかけて作成しても意図した結果が発生しない可能性もあります。
確実に効果をもたらす内容証明を送りたいのであれば、弁護士に内容証明の作成代行を依頼してみることも視野に入れた方がよいでしょう。
まとめ
隣人トラブルを解決するステップのひとつとして内容証明を利用することができます。
内容証明には
隣人に通知を行ったという証拠ができる
隣人に対して心理的なプレッシャーを与える
といったメリットがあります。
しかし、その一方で
内容証明に書かれている請求などには法的な拘束力はない
隣人に対して心理的なプレッシャーを与える
ということも理解しておいてください。
内容証明を適切なものにするために、法律の専門家である弁護士に内容証明の作成代行を依頼するのもよいもしれません。
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